(――…ザァ、ザザン。目を開いたらそこには一面の青。足元には真っ白い砂浜。寄せては返す波。一定のリズムで繰り返される潮騒の音。)…わぁ。(ぱかんと大きく口を開けたまま、目の前に広がる光景に言葉が出ない。ぱち、ぱちと数度瞬いて漸く開かれたままの唇を閉じて)――…ついに、タクヤ、壊れちゃった?(物凄く人聞きが悪い、もとい失礼極まりない発言をポツリと零してすいーっと波打ち際を飛ぶ。視線の先には入り江があり、人影らしきものも見えた。ぱしゃんと跳ねたその人影の下半身は魚のものであり――所謂人魚という存在だと知れた。明らかに現実とは思えない世界。そして自身が今いる島にも住んでいる人達は居るようだった。誰も彼もが何処かで見たような――否、識っている顔だ。彼が学校という場所で共に机を並べていた人物や、幼馴染。彼から生まれた自分は逢った事はないが、一方的に知識として知っていた人々でこの世界の登場人物は固められていた)…やだなぁ。これが「僕」と同じ状況から来るのなら、壊れちゃったとしか言いようがないじゃん?(腕組みをしてかくんと首を傾げた。周囲はどう見ても現実ではない、御伽噺の国そのもの。それが、自身を「ピート」として彼が認識しているのと同じ事象からくるのなら、海岸に見える此処は、ひび割れたコンクリートや瓦礫の散らばる廃墟が本来の姿なのだろう――、一瞬、眉尻を下げて憂うような困ったような表情を浮かべるものの)…っていうか、なんでこういう状況なのに僕はちっちゃいままなのさ!?(普通は本来のサイズにするでしょ、だとかいつもと全然変わらない四天王最弱の妖精もとい永遠の少年は、ぷんすかとむくれながら、この現象の原因だろう相手へとくるりと振り返り的外れな抗議を)
2021/12/22 00:59 [4]
痛い……。(一面の青を認識するや否や、頬を目一杯つねった。痛覚は一切問題がなくて、容赦なく行った自傷行為に後悔の念が浮かぶ。夢の線が消えてしまえば、十中八九真実らしいことをその際たる証拠である妖精が告げて波打ち際まで飛んでいく姿を眺めてるしかなかった。)ピート、もうちょっと優しく言ってよ。(この世には真実よりも伝え方が大事な瞬間もあるのだ。それくらいしか反論できないくらいとも言える。図星をつかれて気分が盛り下がるはずなのに、気を抜くと和んでしまうような穏やかな波音が無情で、せめてため息をついてるフリをして、細やかな砂に足をとられながら彼を追いかけた。目に入る鮮やかな色彩はどれもこれも痛いほどに美しい。ずっと一緒にいてくれた彼と同じような、物語でやっと知るような幻想の生き物の存在は兎も角、知人がそこにいることを不思議に思わなかったので、特に驚きも近寄りもせずに彼へと向き直った。今までみたことのない彼のしずかな惑いを見てとって、わずかに考える間をおいた。)……同じものを見ているってことはこれが現実ってことでしょ。つまりさ、ーー僕、変なキノコとか気分が良くなるおかしな薬とか飲んでなかったよね?(昨日の記憶を大げさに疑っては、恥ずかしい話であるのは間違いないので、ひそひそと問いかけた。昨日の夜に侵入した民家にあったカセットコンロで焼いた際の川魚の焦げた匂いが最後の記憶だけど、現状最も疑わしいのは自分だった。彼が普段の調子を取り戻した振る舞いを見せたのなら、内心安堵を覚えつつ、あは、と目尻を下げて楽し気に笑った。)ピートは僕にとってちっちゃな妖精だからね。でも、そうだなあ。僕と同じ大きさの君も見てみたいかも。(何気なく希望を告げてから砂浜にしゃがみ込む。手慰みに人差し指で砂浜になんとなく線を何本か引いて、)でも、まあ、考えてても仕方がないよね。せっかくだし見て回ろうよ!どこだって面白いこと見つけるのが君の得意なことだろ?(爪先に残った砂をふっと息で飛ばしてから「ね、ピート!」と彼の方へと視線を向けた。)
2021/12/22 18:49 [8]
ピート
2021/12/22 21:27 [12]
(オーソドックスな夢か現実かの判別方法をとる相棒の痛みを訴える様子を聞きながら、絵本の挿絵のように美しい青い海と白い砂浜のコントラストを楽しんでいた妖精は、優しく、のリクエストに「えー」といつも通りの調子で不平を零し)んーっと、タクヤくんはぁ、いまとっても心がつかれちゃってて、こわいこととかいたいものを見ないように無意識にガードしちゃってるんだよね〜とか?(こてんと首を傾げながら言葉にしたのは優しいの方向性が明後日の方向へ行っていた。物言いはやわらかいが寧ろ内容的にはグサグサと刺していたかもしれない。無邪気な妖精はえてして残酷なものだという説を裏付けるようになったかもしれないが――兎も角)うーん。昨日の献立の中にキノコなんてあったっけ…?タクヤ、もしかしてあの押し入れの隅っこに生えてたあやしいキノコ食べちゃった?明らかにあれはアウトな感じだったよ!?(同じく記憶を辿っていたが、ハッとして告げたのはいつもの如く寝床探検とばかりに民家を隅々まで飛び回ってチェックした際に見たお宝?である。言葉通り青かび色の細長いキノコを口にしたいと思う人間は早々居ないだろう。寧ろ焼き魚の際に生じた煙が蚊取り線香よろしく小さな羽根の生えた少年にヒットしてポトリと落下した方が、原因っぽく見えたかもしれない)ふふん。僕が人間サイズなら、きっとタクヤよりでっかいよ!スラっとしてね、つむじの向きも見えちゃうくらいなんだよ!(つむじ自体は頭頂部に乗せて貰えば現状でも確認できたりするのだけれど、それはさておき)まっかせておいてよ!……って、此処が僕の予想通りの場所なら、きっとね!(相棒から前向きな言葉が聞こえるとふよーっと羽根をはためかせて近寄り、自信満々に口を開いた)タクヤ、とびきり楽しい事を思い浮かべて!そうしたら君も飛べるから!(さぁ行こう!とばかりに片手の拳を空に突き上げて空中散歩のお誘いを)
2021/12/22 21:27 [12]
(御伽の国の住人にふさわしく、ある一面をとれば願いを叶えてくれている筈なのに結局散々なことを言われていることにはすぐに気がついた。内容も大事だと思い知らされる。む、と口をへの字に不満を伝えようとして、)それもっと傷つくよ!僕が言ってるのは処世術ってやつのはなし!(礼儀もマナーも法律も何もかも崩壊したところで今の世界では問題にならないけど、というのは口にするまでもないけど棚上げした。「そんなに疲れてるのかな、」と眉根を寄せて心当たりなさげにこぼした。何一つ余すことなくどっちでもよかった筈なので、心が削れる要素などこの世界になかった筈なのだ。)何ソレ、僕知らないよ!アウトなキノコ無意識に食べてたらどうしよう、そこまで飢えてた事実がヤダ!(過去と比べれば間違いなく悪化してる食環境、空腹のあまり無意識のうちに手当たり次第食べていると言われても否定できない。なのでお腹壊すどころじゃなさそうな彼の大発見もあえなくお腹の中で幻覚を見ている可能性に震えた。)僕より大きくなっちゃったらもう運んであげられないね?僕がピート乗せてあげる代わりに、今度はピートにおんぶしてもらおーかなっ(測ったことはないけど動かしている感じからしても多分身長は過去からそうは変わってない。なのでそんなに大きくはない筈なので彼の言い分はごもっとも。結局は妄想にすぎない希望を告げた。彼の言葉にほんの少し考え込んでから、愛想笑いをひとつ。)急に言われても思いつかないよ。それに!飛べるワケないじゃん。僕には羽根がないの忘れちゃったの?(ほら、と彼に背中を見せた。自身の行動が普段よりも考えなしで考えたままをそのまま出力しているようだということには気がつかない。)
2021/12/23 08:07 [21]
ピート
2021/12/23 21:01 [25]
ショセージュツ?やだなぁ、妖精の僕にそんなものを求めるなんて、えーっと…なんとかセンスだよ!人生キュートでチャーミングな笑顔ひとつでどうにかなるものさ!(不満を訴えられてもケラケラと笑うばかりでまともに取り合わない。キラリと無駄に八重歯を輝かせて胡散臭い笑顔で世渡り術を語ってみせた)無意識に小腹が空いてパクってやっちゃったのかも…?(僕はあれは遠慮したいねぇ、なんて青かび色した謎のキノコについての評価を口にし、もっとも人間の食糧を必要としない妖精はそもそもがキノコを口にする機会がないのだが)……うー。わかったよ、僕、でっかくなったら、タクヤの事"こうして"運んであげるよ!ちゃちゃちゃちゃーんって音楽つきでね!僕知ってるよ、おめでたい時の定番なんでしょ!タクヤ、感動して泣いちゃってもいいんだよ?(「こうして」の部分で、両腕を前にして何かを抱き上げるような仕草をした。そして下手くそなリズムは、ウェディングマーチのようだった。脳内ではとても大きくなった自分がお姫様抱っこしてるの図を思い浮かべているのだろう。この上ないドヤ顔をしている――おめでたい脳みそだった)えー、えー、なんでなんでなんでー?楽しかったことあるでしょ。ねぇ、タクヤ。僕はキミだ。キミの中から生まれたんだ。じゃあ、僕に出来てキミが出来ないことなんてあるもんか(愛想笑いする彼に、少しばかり真面目な顔になって告げると、くるくると彼の周囲を螺旋を描いて上から下へと高速で回る。光の軌跡を描いてキラキラと光の粉が降り注いで)僕が飛べるんだから、キミは飛べるよ!ここはネバーランドだからね!(理屈なんて関係ないとばかりに、荒唐無稽な事を自信満々に宣言した)
2021/12/23 21:01 [25]
ナンセンス、だよね。言ってから僕もそう思ったよ。も〜〜〜……いーよ、確かに僕も怒る気失せちゃった。(肩をすくめて笑う顔に、とくに機嫌を害した色は浮かんでなかった。思考がいま目の前にあることしか考えられなくなっていることに特に不思議に思うこともなく、幻覚の原因に対する興味すら話題が変われば遙か彼方へ消え去ってしまう。調子外れの歌が面白くてけたけたと笑うと、)あははっ、それ、僕と君が結婚式することになっちゃうよ!僕、泣くよりかは笑っちゃいそう。(ついすぐ前に笑っていたのを忘れて、今度はべつに楽しくもない記憶を思い起こすのがおそらく面倒という感覚で、見て見ぬふりをしていたのに。ぐるぐると彼が回るたびに光の粉が周囲を輝かせ、光の渦に包まれているようになる。その幻想的な光景に気がつけばそもそも妖精のいるこの目に見える世界で、意固地に常識を守っているのが馬鹿馬鹿しくなってきて、)何その理論?!ネバー………(ランドなわけがない、と口にしようとした心は急に方向転換。)ネバーランドだよね!君が、妖精がいるし、海があるし、人魚も、ワニも多分どっかにいる!(文脈もない心変わりの発言であることにも気が付かず、目を輝かせて、ぴょん、と跳ねた。浮かび上がることはない。)楽しいこと、楽しいこと〜……?いまがとっても楽しいんだけどな〜?(ぴょん、と跳ねても浮かび上がる様子もなく、首をひねって想像の翼を過去へと広げてゆく。ほんの僅かの間に、その回想は今この瞬間であるかのように浮かんでは消えてを繰り返し、それに合わせて姿がみるみる幼くなってゆく。その記憶が完璧な優等生としての日々に埋もれた、幼少期に遡るごとに体が軽くなるたびに空中に浮かび上がる。まだ癇癪を起こして喧嘩をしたり、ゲームしたり、絵本を読んだりして喜んでいた頃。絵本棚から取り出した一冊の本、広がる夜空に向かって跳ぶ子どもたちと妖精のお話。一度浮かび上がれば、もうどこまでだって飛んでいってしまいそうな心地になる。)ねえ見て、ピート!飛べた!飛べたよ!(興奮気味に彼へと伸ばしている指が幼子のようにまろみを帯びたいることに違和感を覚えることなく、それはおよそ学生と呼ばれる年齢よりも小さな体躯で人からの見え方など完全に忘れたくしゃっと満面の笑みで彼へと呼びかけた。)
2021/12/24 17:59 [38]
ピート
2021/12/24 23:21 [40]
(そうともいうね!と正しい横文字を口にする彼に、パチンと指をはじいて頷く妖精は全く悪びれた風もない。奔放な自身をなんだかんだで甘やかす位には相棒は心が広いのだと知っているから) ケッコンシキ…?僕、フェスティバルも、パーティも好きだよ!(だから問題ないとか、全く分かってない妖精。目の前の彼が笑うから、楽しいお祭りなのだろう位の認識だった) へっへーん!僕は妖精だからね〜!ジョーシキとか知らないもんね!もしもタクヤがホントに壊れちゃったんだとしても、そもそも壊れちゃったんなら、ジョーシキとか意味ないと思うんだ!そう、ナンセンスなんだよ!(光の粉を降り注ぎ一仕事終えた妖精は、ばばーんと両手を腰に宛がって胸を張った姿勢でトンデモ理論を展開)そうだよ、ここがネバーランドじゃなくてどこだっていうのさ?(どこからどうみても御伽噺にでてくる「どこでもない国」だ。パタパタと羽根を動かして中空にとどまったまま、彼が少しずつ心にまとった鎖を解いていく様子を見守って)タクヤ、体はショージキなんだよ。(微妙に語弊のある発言をしながら、楽しい事を思い浮かべようとしているのに、ほらほら、と促す。心から楽しい事を思い出さぬ内は体は浮く事はないのだから)――…やればできるじゃないか!(心と共に体が過去へと羽搏いていくのにあわせて、体がふわりふわりと浮き上がる。やがては、浮遊という状態を安定して保てるようになれば、にんまりと得意げな笑みを浮かべ)だから、飛べるっていったろ?僕にできてタクヤにできない事なんてないのさ!(伸ばされた指先に小さな拳をちょんとフィスト・バンプよろしく打ち付けて)イヤッホォォォ――――ッ!(全身で歓喜を示すようくるくるとコマのように回転しながら高く跳びあがり、雄たけびを上げて。豆粒のようになったところで、ぎゅんと急降下して戻ってくる)さぁ、タクヤ行こう!人魚の入り江?インディアンの集落?それとも虹の生まれる場所を探しに行く?(まっさらな笑顔を浮かべる彼に、興奮した様子で矢継ぎ早に告げた妖精の言う通り、青い空には大きな虹が架かっている)
2021/12/24 23:21 [40]
(ネバーランド。永遠の子どもたちの理想郷。御伽の国の存在が目の前に広がっている。頭の中から滅んだ現実はとうに消え失せ、この世界にいることに胸がいっぱいになる。思い出せるような、思い出せないような、まっさらな世界の奥底に押し込んだ記憶をどうにか辿ってゆくのは集中力が必要で、いつかの病気で学校を休んだ時にたまたまつけたテレビで見た昼ドラでしか聞いたことがないようなワードに一瞬で我に帰り、)ごめんそれ飛べなくなりそうだからいまは聞かなかったことにするね?(と、冷静に突っ込みをいれてしまったことはさておき。思い起こせば心の奥底にずっと彼らがいた。楽しかった思い出は、つまらないことを積み重ねたって、消えることなどなかったのだ。まだ何が好きか、嫌いか、心の声は弱いけど、それでも最初に好きだったものを思い出せれば、想像はどんどんと広がって、幸せなことを思い浮かべるたびに文字通り舞い上がってゆく。)あははっ、ねえ、ピート。よく僕が飛べるって思ったね?僕の方が僕のこと信じられなかったよ!(やりたいことをやると、いつも誰かを困らせてしまうから。空を飛びたいだなんて空想、叶うなんて思いもしなかったのだ。祝福するように優しく吹く海風が心地よく、飛び上がった彼が目映くて、目を細めた。どこまでも行ってしまわずに戻ってきた彼の提案を頷いて聞いていたけれど、)まってまって、そんなにいっぱい、時間が足りないよ!ぜんぶ見たい!(彼の案内してくれる場所はきっとどこだって楽しい。ずっと昔の友達に偶然出会ったような、懐かしくも目新しい感動が、すでにこの景色にだってあったのだから。何ひとつ取りこぼしたくなくて幼な子のようにわがままを言っては、ぷかりと浮かんだ体を一回転。見渡す限りの青い空に、大きくかかった美しい虹。凪いだ海も小さく見える人魚がいる渚も、インディアンだって見たいし、彼以外の妖精にだって会ってみたい。海賊にだってなってみたい。けど決断は早かった。)でもまずはぁ〜……こっち!(飛べると思えばどこへだって進んでいける。スタートダッシュで虹の始まるほうへと飛び立てば、きっと追ってきてくれるだろう妖精のほうへ体の向きだけを翻して「早く早く!」と催促した。)
2021/12/25 17:09 [49]
ピート
2021/12/26 01:56 [53]
(己が口走った問題発言に冷静なツッコミが入るのにケラケラと楽しそうな笑い声が返る。なんでー、なんて首を傾げる様子は、恐らく意味が分かってないのだろう。これまでの頓珍漢な言い間違えと同様、曖昧かつ適当な記憶力の賜物である)何を言ってるのさ、僕はピート様だよ?キミの事なら何でも知ってるのさ。(飛ぶことを覚えた相棒が楽しそうに笑う様子を見守り腕を組んだ姿勢でうんうんと頷いていたが、興奮気味の言葉にふふんと鼻高々でいつも通りの調子に乗った声音で語る。そのまま後ろにひっくり返りそうなくらい胸を張って得意南面の笑みで)僕はキミだ。キミが僕に自由に飛べる羽根をくれたのさ。そしてね、キミが自分自身で飛べなくしちゃってたのなんて、とっくの昔におみとーしなんだよっ!(にっかりと白い歯を見せて笑う。現実逃避の象徴たる永遠の少年は、相棒の解き放たれたような様子を喜ぶように。)時間なら沢山あるさ。ちょっとばかりタクヤには見えてないだけで、足りないことなんてないよ(へへっと、鼻を擦りながら暢気そのものな調子で告げる。何もかも壊れた世界なら、時間の概念なんかも曖昧でいいとばかりに)空を飛び回るだけでも楽しいけどね、って、ちょっとー!いきなり置いてかないでよー!?(ふっと何やら決断したらしい相棒が、身軽な動きで空を飛ぶのにぱちくりと瞬いて、彼の思惑通り慌ててその姿を追う)ふふん、空を飛ぶのは僕のほうにイチジクノチョー!があるんだからね!タクヤこそはぐれないようにね!(くるくるとスピンしながら飛び回る妖精は、自信満々に間違った言葉を活用しながら彼と共に虹の生まれる場所へと共に空を駆ける)
2021/12/26 01:56 [53]
(心は鏡のようなものだと自覚していた。身近なひとの望みを現実にあらわすもの。であれば望まれなかったから選ばなかったものをこんなにも大事にしていただなんて、たったいまこの瞬間まで自覚がしようがなかった。何もない世界での道しるべとして無意識のうちに選んだのが、自身のなかでずっと側で生きてきた物語だっただなんて。彼の言う通り、彼は自分であるから、彼のようにいつだってなれたのだ。飛び立たなかっただけで、自由はいつだって広がっていたのだから。これまで見ないふりをして茶化したり誤魔化したりし続けてきたけれど、今回ばかりは彼の言うとおり。)もう、大好きなものくらい忘れないようにしなきゃね。これから、僕が一番僕を大事にしてあげないといけないんだから。(たった一人で歩んでいく旅路を、忘れきれなかった彼と共に歩んでいたように、たくさんの大事なものを集めていけば、一人でも孤独ではないのだから。思考が現実のことを掠めた途端、気がつけば姿は今の自分ーーが最後に鏡で見たくらいの、青年と少年の間に戻る。空中でも、もしかしたら飛んでなかったとしても、重力なんてこの世界には似合わないからべつに何も違いを意識はしなかったかもしれない。「そうなの?」とまだよく分かっていない様子で首を傾けた。夢中になると時間は一瞬で過ぎてしまうから、一秒だって惜しんでられないと気が急いてしまうのだ。浮き足立った体はぐんぐんとスピードをあげる。)君は僕なら僕もイチジクノチョー、あるよね?なら僕だって好きに飛べちゃうのさ!(くるくる回ってもワルツみたいに規則性があるわけではなく、野放図に好き勝手飛び回ってみせた。おおむね虹の方に向かっているようないないような、いつまでも飛んでいたい気持ちが虹のふもとまでの距離をどこまでも伸ばしてゆく。)ねえ、ピート。もっとこの世界のこと教えてよ!僕、やっと思い出したばっかりだから、ぜんぜん分かんないんだ。よく考えないで飛び出しちゃったけど、虹の生まれるところってこっち?(とくにスピードを落とすこともなく気持ちよさそうに風を切った。彼に遠すぎて声が聞こえないなんてことはきっとないと思った。届けたいと思ったら届くのだ。彼は自分なのだから。)
2021/12/26 18:57 [58]
ピート
2021/12/27 18:35 [70]
僕も結構忘れん坊だけどね!好きな物は忘れないさ!(体の大きさに応じてとっても記憶容量の小さい脳みそは、良く忘れるし、覚えていたとしても割と曖昧だったりするのだけれど、陽気に笑う妖精はあまり気にしていないらしい)影法師みたいにさ、長い付き合いなんだから、自分は大事にしたほうがいいよー。もちろん、このピート様を最優先してくれて一向にかまわないよ(ふふーん、といつも通り物凄く調子にのった様子で鼻を擦りながらふんぞり返る。息をするかのように空を飛ぶ妖精は、不安定な空の上でも自由自在に動いている)タクヤが時間が少ないと思えば少なくなるし、時間がたっぷりあると思えばたっぷりあるのさ!そういうものさぁ〜!(どこか詩人めいた物言いをして、あはは、とお気楽極楽に笑う。頬を撫でる風が気持ち良くて、日向ぼっこする猫のように目を細めて笑い)ちょ、ちょっとー、タクヤも言うようになったね!?まけないぞー(パタパタと忙しなく羽根をはためかせて生まれて初めての空を飛ぶ相手の周りをくるくると飛び回りながら、虹の橋の下を勢いよく飛んでいき)そうだよ、ほら、あそこにみえるだろう?(すっと指をさした先には青い海がある。そこに見えるのは小島程もある真っ白いクジラ。ぱかりと口を開いて海水を飲んだと思った次の瞬間、ざぁっと潮を吹く)これが、虹のもとだよ!ここではこうして虹が生まれるんだ!(水しぶきと思われたそれは、ぷわぷわと空に浮き上がるシャボン玉。それらは空に浮かぶ二人の前で上昇していき、やがて空にかかる虹に触れるとパチンと弾けて虹にとけていく――非現実的な世界の不思議が一つ、垣間見えて)あとさぁ、人魚の入り江にいったらタクヤの好みを教えてよ!(ニシシ、と悪戯っぽく笑う。恐らくは人魚の姿も、例にもれず彼の記憶の中にある人物の顔形をとっているのだろうけれど)
2021/12/27 18:35 [70]
(「あそこ?」と指し示す方へと視線を下ろすと、真っ青な海の中にぽかんと浮かんだ白い島。それが生き物だって気がつくのに少しだけ時間が必要だった。空想の絵本の世界くらいでしか生きられそうにもないほど大きな白鯨の姿をとらえて、「わあ!」と歓声をあげた。童心に帰ったように瞳にちりちりと星をうかべて、興奮冷めやまない心が紅潮した顔色からも見て取れることだろう。)どーゆーことかよく分かんないけど、すごい!水をずーっとあそこに供給して……?(学校で習うような光の屈折の話に思考が転がりそうになった途端。この世界にきてからずっとそうなのか自覚は決してできないけれど限りなく狭まった視野で、下から続々と浮かび上がってくるシャボン玉の存在に気がつくことなく、ぱしゃん!水飛沫のかたちでうっすら虹色のペンキを被ったみたいにきらきらと光を纏っては、一層目を輝かせる。)本当に虹のもとだあ!ピートも触ってごらんーー全身虹色になっちゃったらもーっと春爛漫みたいになっちゃうね?(すでに箸が転がっても笑うくらい楽しくて仕方がない心地、そんな彼を見たら笑い転げて果てしない空まで飛び上がってしまうかもしれない。けれど気分は急降下。ありあまる楽しさで墜落こそしないけれど、ぶすくれた表情でぐるりと天を仰いだ。)ねーーー、僕まだ女の子の好き嫌いはよく分かんないよ。考えてこなかったの、よくなかったんだろーけどさあ(クラスメートとして浅く広く、好青年は友だちはいても親友なんていたためしがなかった。こんなふうになる前、物心つくより昔のことは覚えてないけど。恋に恋するほどの情緒も育たなかったので、お断りしかしたことなかったのだ。ぐるりと回って小さな妖精の姿を探す。これまでずっと一緒にいてくれた友人への気持ちを表すことが難しくてずっと誤魔化してきたけれど、自覚したことを隠せないくらい、この世界では想像したことをすべて表してしまう。)まだ、君のことが昔から大好きだったんだってこと分かったばっかなんだよ。だからねえ、(人の名前と顔を一致させるのは苦手だったけど、訓練しているうちに覚えることが特技になっていたので。記憶にある範囲をどう思い返しても心当たりのある色んな人に似ていて、誰とも違う彼に向かってにやっと歯を見せて笑った。)ピートみたいな顔、探しちゃお!
2021/12/28 20:22 [80]
ピート
2021/12/28 22:53 [83]
むずかしーことはよくわかんないけど、虹は虹なんだよ!すごいでしょ!(どういうからくりなのか、白い大きな鯨から噴き出た潮が虹色の泡となりやがては空にかかる虹へとなっていく。そんな幻想的な光景を、理屈とか物理法則だとかそういったものは放り投げてありのままに受け入れている妖精はシャボン玉をまともに喰らった彼の様子にケラケラとお腹を抱えて笑いだして)タクヤ、今のキミはとっても輝いてるよ…っ!(ドラマの中で、夜景の綺麗なレストランでワイン片手に俳優が言いそうなセリフを吐きながら空中でぱたぱたと足を動かしながら笑っている下からふよんとシャボン玉の一つが接近してくる)お、お、おぉ〜!?(羽根もあってか軽い体はシャボン玉を壊す事は無かったが、腰掛けるような姿勢でぷよんと弾かれ。あわててシャボン玉の進路を邪魔しないように脇に逸れる……が)ギャーっ!なんだこれぇ〜!!!!(幸いにも全身、キラキラ虹色に輝くという事はなかった、が。若草色のチュニックのお尻の部分がキラキラと虹色に輝いてしまっていた。尻に火が付いたように、わたわたとあちこち飛び回っている姿が暫し在り、彼の笑いを誘ったやもしれず)えー、わかんないのー?あるじゃん?こう、タクヤより強い女の子とかさぁ〜?こう、二の腕の筋肉がムキッとしたのとかさー。果物を素手で握りつぶして毎朝フレッシュ・ジュース作ってくれるような子が好みとかー、ないのー?(それは果たして女子なのか?というような特徴を述べて、不思議そうに問う。パタパタとチュニックの裾を払う仕草をしているのは、べったりついてしまった虹色を気にしての事)ふんふん?……僕がイイ男だってことは昔から決まってるけどさぁ〜、面と向かって言われると、照れるじゃないかぁ〜。(何やらつらつらと、青い春とは無縁そうな話をしている彼の前にふよふよと漂いながら耳を傾けていたが、好きと言われて分かりやすく調子に乗った。頭の後ろで両手を組んで宙空で胡坐をかいた姿勢でくるんくるんと回転し――ていたが、いたずらっ子のように笑っての言葉にポトリと逆さに落下)わぁぁぁぁ――…!?って、僕は女の子じゃないぞー!ぶへっ!(そのまま顔面からシャボン玉に突っ込む羽目となり――パシャンと派手なシャボン玉が弾ける音が続いた)
2021/12/28 22:53 [83]
あはは!ピート、その格好すごーく似合ってるよ!(虹まみれの自分に比べてジャストでコミカルな模様を作り上げてしまった彼が慌てふためく様子を、いまは笑うことで手一杯なので、特に手を貸そうともしなかった。)強さで決めるなら僕のタイプはオリンピアンになっちゃうよ!というか今の話って顔のことじゃないの?本当によく分かんないんだよ。人魚見たらわかるかなあ?(これが可愛いは分かってもこれが好みかどうかは考えてこなかったので、人魚を見ても懐かしさを覚えるだけかもしれないことはさておき。彼へ好意を伝えたときの反応は想定内。けれどそのあとは想定外の反応で、くるくる回っていた彼は方向を失って海へと真っ逆さま。上手にシャボン玉を破り続けてゆく姿を一拍遅れて理解すれば「わあ?!待って待って!」と彼を追いかけた。同じ速度で落ちるたびに自身にも頭からぶつかるたびにぱちんぱちんとシャボン玉が弾けてゆく。全身虹色に包まれながらも彼の近くまで追いつけば自由落下に任せることに。)『みたいな』って言ったよ?ピートは世界に一人なんだから、おんなじ子はいないよ! あははっ、僕たちおめでたい感じになっちゃってるなあ!(自分の姿はよく見えないけど、一緒に落ちてゆく服だけではなく顔面から虹色を被った彼はテッペンからつま先までどこを見ても色が違う。季節の行事をたくさん混ぜ込んで作ったみたいな色合いが面白くてけらけらとこみ上げる笑いは止まらない。喋りながらシャボン玉に突撃すれば当然口にも入ってしまって、ぺっと吐き出そうと思った虹のもとは多分子供の頃縁日で食べた水飴と同じ味がして「これ、とっても美味しいよ!」と目を輝かせた。舌先を見せて「舌の色どう?」とはしゃいだ。海面までまだ遠く、白鯨の上でのんびりするのもいいかもしれないけど、多分色が気になるのは多分お互い様なので、)ねえねえ、ピート。飛ぼうと思えば飛べるし、泳ごうと思えば泳げるよね?つぎは海底旅行だ!(遠泳なんてやったことないし、海底でゴーグルなしに目を開いたことなんてないけど、なんだってきっとできるので、彼ごと一緒に飛び込んでしまおうと水面に向かって一直線。)
2021/12/29 15:46 [91]
ピート
2021/12/30 17:08 [100]
にあってなーい!僕は今をときめくファッションリーダーであって、コメディアンじゃないんだよ!(図らずも珍妙な格好となったことに憤慨しながら、べったりとついた虹色を払おうと臀部を叩いていたが、逆に掌が虹色になってしまい、とても情けない表情で「うへぇ」と呻き、笑い転げる彼を恨みがまし気な目で見やった)え。顔よりスタイルの方が大事じゃない?髪の毛が長いのがいいとかー、胸が大きかったりー、小さかったりのがいいとかー、あとほら、プロポーズの定番であるじゃん?『毎朝キミの作ったフレッシュジュースが飲みたい!』って(だから腕力が大事なんだよ!とフィジカル全振りの女性の魅力なんて語っているが、例にもれず妖精の知識は微妙にずれていた)――…タクヤぁぁぁ〜!わらいごとじゃないよぉぉ!?(衝撃的なセリフに羽搏くことを忘れた一瞬、ぴゅーっと頭から落下する間、幾つも幾つもシャボン玉を貫いて割っていく最中、珍しく正しいツッコミが投げかけられた。おくらばせながら彼が追いかけて来る頃には、髪の毛も羽根も服も、手も足も何もかも虹色のマーブル模様に染まっていた)羽根がべちょべちょで飛べないぃ!(慌ててパタパタと動かすも、虹色に染まった羽根はバランスが崩れて飛びにくい。ぐぎぎ、とひきつった表情で追いついた彼の腕にどうにかへばりつく――まるでセミのような有様だったが、その間も彼が落下を続けるのなら容赦なく虹色に染まっていって)僕みたいな超絶美少年の顔に、ボッキュッポンなダイナマイトなボディがついたら国どころか世界が傾いちゃうだろ!世界中の男どもがひれ伏すんだよ!タクヤもね!それは大変なことだよ!(この期に及んでも自画自賛を忘れない。笑い転げる相手へ真面目な顔で言いつのっていたけれど、なんとも虹色のその姿に失礼ながら噴き出した)…ぶふっ!!タクヤ、ひっどい顔ー!カラフルゾンビ!――って食べた!ちょっと、舌まで染まってるよ(ゾンビだゾンビ、と爆笑している自分もサイズが小さなカラフルゾンビとなっているのだけれど、気にしたら負けなのだ)そうこなくっちゃ。ベタベタで気持ち悪いし、海で流しちゃおうよ……っていうか、その前に…!!(落下するうちに白鯨の近くまで来ている事に気づくと、そのままべたついた羽根を広げぽーんと巨体の上に降り立った。ぺたぺたと走りだすと白い雪のような巨体の上に豆粒のような虹色のカラフルな足跡がついていく)こうしてやるー!(ついでに両手もぺったりとつくと小さな掌型のスタンプが押され、白い鯨の背中がほんのちょっとだけ色づいていく)――…タクヤもやろうよー!(きゃっきゃと笑いながら手招く。ストリートアートなんてものじゃなく、壁にらくがきをする悪ガキのような表情で。きゃらきゃらとはしゃぎ騒ぐ煩い人間と妖精の悪戯に、白鯨が巨体を海中に沈める迄の暫しの間、全身をつかったらくがきに興じ。その後、洗濯がてらの水泳に、人魚の入り江を見に行ったり、海賊船を探しに飛び回ったり――水平線の果て、夢の終わりまで、どこにもない国でのひと時を楽しむことと)〆
2021/12/30 17:08 [100]
拓也
2021/12/31 14:22 [105]
でも、人気者ってコトなら同意するけど、ファッションのリーダーしてるときあったっけ?(一通り笑い尽くしてから切り出すにしては完全に失礼な発言をしていることにも気がつかず、自身から生まれたはずの彼がオシャレさんな事実を若干理解しきれていない様子だった。浮かない程度に取り繕ってはいながらも、本音で言えば服に関しては機能性重視、着心地が良ければいい派なのである。彼が幾例上げようとも「うーん?」と首を傾げるばかり。いつまで経ってもピンときていない様子だったけれど、)よく考えると味噌汁より作り置きしにくそうだからプロポーズ感あってちょっとやだよ……絞るか絞られる関係かあ〜……(ジュース生搾りできるくらいムキムキの相手がムキムキの自分。ちょっとした筋肉には憧れるお年頃だったけどマッチョまでくるとちょっと違う。内心マッチョは好みじゃないかもしれないと思いつつ、うえ、と舌を出して渋い顔をした。落ちていく彼の悲鳴まで面白くなってしまって、彼が必死にこちらにしがみつこうともいつまで経っても笑い声がやまない中、)ひっ、ふふ、あははっ!やだ、やっ、やめて、グラマーなピート……!(完全に笑い袋と化した瞬間であった。すでに何をしたところで面白い状態だったのに、彼の言う通りに想像すると上下の違和感の激しさに横隔膜が痙攣しっぱなし。口の中にべったり虹がはいって正気に戻るまで笑い転げていた。)カラフルゾンビって貶してるの?!分かんないよー!ピートこそ人のこと言えないくらいべったべただよお(わいわいがやがや騒いでいるうちにもう白鯨のすぐそばまで降りていた。とくに飛びあがろうと努力することもなく、自由落下で落ちるがままに白鯨の表皮へ、ぽよんぽよんとトランポリンのように何度か跳ねて、そのまま転がっていた。)白クジラ、僕らに出逢ったのが運の尽きだったね……。(自身は全身でくっついているので汚した面積は彼の比じゃないかもしれない。肘をついて彼がぺたぺた歩き回るのを見つめていたけれど、誘われれば飛び上がって、)あははっ、やるやる!どっちがたくさんつけられるか競争だね?(彼に負けず劣らずにんまりと悪い顔で駆け出せば、背中からダイブしたり顔だけべたっとくっつけてみたり。白鯨が辟易して海に沈んでいくのも時間の問題だった。その後もネバーランドの案内人と自身の気の向くまま、夢中になって飛び回って遊び続ける。彼の言う通り、時間が足りないと思えば足りないし、長いと思えば長いのだと理解したのは、目を覚まして、莫大な冒険の記憶という宝物を胸に刻んだその瞬間だった。)〆
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